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隠された記憶

 二週目観ても結局わからなかった。インタビューでハネケ監督自身が犯人や動機なんかの解釈は観客に委ねると言っていたけど、正直違和感を感じた。ヒントが無いのは良いとしても、各々の解釈を否定するような表現が多かったように思う。
 まず、ジョルジュの過去を暴く絵はジョルジュの過去を知っている人に限定されてしまう。自分のことは嘘をつき続けるジョルジュだから、その家族や職場仲間は知ることはできない。となると、ジョルジュとマジッドとマジッドに極親しい者だけ。
 ジョルジュの自演だとすると、わざわざ自分の直視したくない過去を暴くようなことをする意味がない。
 マジッドか親しい人の単独犯だと三番目のビデオをあそこへは置けない。
 ピエロが共犯だとすると、なぜターゲットがジョルジュなのかわからない。ジョルジュとはそれなりに親しそうにしていたし、ピエロがやるとしたらアンに向けると思う。
 といったように、ありそうな、想像を膨らませやすい単純な回答には否定するようなことが盛り込まれていて、自分なりの回答が出来ないようになってるように感じた。観客に解釈は委ねると言い、その解釈は否定する。何をさせたいのかすら隠してるのかなあ。