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“文学少女”と慟哭の巡礼者

 きつい。


 全員病みすぎ、思惑錯綜しすぎ。
 心がわからないってのが“文学少女”シリーズの全体を通してのテーマだと思う。今回の慟哭の巡礼者自体はそのテーマを、物語の核心の心葉と美羽を通して語ってるんだけど。
 心葉はとことん救われない。
ちょっとネタバレ
 せっかく美羽は帰ってきたのに、心葉のことが嫌いになったと思って諦めがついてただろうに。美羽が憎んで憎んで心葉をうらんでも、きっと心葉は受け入れてただろうに。愛情の裏返しじゃどうしようもない。いまさら心葉は美羽の愛情なんて受け取れないんじゃないかなあ。もう心葉を悩ませなくてもいいのに。
 しかし周りの人全員で心葉だましてたって酷すぎ。美羽が裏で手を回さなくても一人ぼっちだったって。僕だったらまた引きこもるだろうなあ、心葉は主人公補正で強いから、自分だけがダメージ受けることだったら何事もなかったように過ごすだろうけど。
 本当の幸いって何だろう。この話の中じゃ、もう遠く離れてる気がする。