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嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん

 思ってたより普通で面白かった。嘘だけど。
 幼いころに誘拐されたみーくんとまーちゃんが、高校生になって再会する話。トラウマを抱えてて、まーちゃんは奇行癖で子供2人を誘拐しちゃって、みーくんは街で話題の連続殺人犯。
 病んでる感じを楽しむラノベかと思ったら、そうでもなかった。主人公のみーくんは嘘つきだけど、虚言癖があるわけじゃなく割と普通。嘘つき具合も福本キャラよりソフトなくらい。ヒロインのまーちゃんは結構病んでるんだけど、病んでる描写が薄い。幼児退行と暗がりで突然奇声をあげるくらい。誘拐もしちゃうけど、目的ははっきりしないし。ヤンデレが見たくて買ったらちょっと期待はずれだった。
 普通のミステリっぽいサスペンスとしては面白かった。誘拐犯と誘拐現場で同棲したり、連続殺人事件だったりでどう見ても収集がつかない状態から始まって、平凡に終わるのは新鮮だった。非日常から始まって日常に戻していくのは地味な作業でつまんなかった。普通にするんだから普通なことだし当たり前か。それでも、どうしようもない状態から綺麗に終わらせるのは何ともいえない。日常から始まってぐちゃぐちゃにして締める"文学少女"シリーズとは対照的。
 読んでる最中はあんまり面白くなかったけど、思い返してみると結構面白かった、妙な作品。何かを期待しすぎたのかな、期待しないで読むとすごく楽しめるかも。